シマノで発行している「フィッシングカフェ」という雑誌をご存じだろうか?
私のフィッシングカフェとの出会いは2017年の秋号。
4年前、会社宛に届いた雑誌の表紙を見た総務課の社員が、
「フライですよ!」と私に持ってきてくれたのだ。
正しくはテンカラ毛鉤だし、私はフライではなくルアー派なのだが、
素人にそんな区別は無く、結果的にありがたいことになった。
すぐに気に入ったので、巻末にあった読者紹介葉書に
自分の住所氏名を書いて送ってみたところ、
それから年に3回、無料で届くようになったのだ。
しかし前号が届いた時、
「次号からは発行形態を見直す」
「継続して購読する場合は有料購読をお願いしたい」
というお知らせが入っていた。
もともと値段が入っているものが無料で届いており、
大丈夫なのだろうかと、ずっと気になっていたのだ。
年間購読を申し込み、先月だったかな、届いたという次第。
というわけで、2021年秋号。
有料になっても、というかもともと有料なのかもしれないが、
ポリシーの変化は感じられず、楽しく読むことができた。
この雑誌、何が良いって、シマノで制作しているのだが、
シマノの釣り道具を売ろうというところが全くないのだ。
普通、写真にはできるだけ釣り道具を映そうとするものだし、
また記事の最後には必ず使用タックルが記載されるものだと思う。
スポンサーがあれば、当然のことなのだろう。
しかし、この雑誌にはそういうのが一切無い。
強いて言えば全74ページ中にたった1ページ、
シマノのウェア紹介ページがあるだけ。
自社製品(またはスポンサー製品)に拘らないことで、
釣り雑誌の嫌味な部分が消え、
釣りの魅力がストレートに伝わってくるのだろうと思う。
釣り業界全体を底上げしようとする思想は素晴らしいと思う。
シマノ製品は出さないくせに伝統的な釣り道具をつくる人に関する記事がある。
これはクラフトマンの端くれである私にとって楽しみのひとつ。
59号から続いている村上康成さんのイラストも楽しみ。
ぜひ長く続けてほしい。
この4年間で数名の釣り仲間に、本人の了解を得た上で、
読者紹介葉書を使ってこの雑誌が届くようにさせていただいた。
さて、今回の有料化で何人が生き残るのだろうか?